この季節になり、久し振りに美味しいお酒が飲みたい気分に・・・先日近くの酒蔵へ行きました。
お店に入ると「いらっしゃいませ!」とはつらつで元気な声。
目が合うと以前訪問に行っていた先の娘さんと久し振りにお会いすることができました。
その夜は今までの色々な事を思い出しながら・・・夜を過ごした私です。
お母さんとそっくりな顔の娘さん。酒蔵に毎日朝から勤務されてありました。
お母さんは最期10日程点滴もせず、何も食べず飲まず・・・よく頑張られました。
娘さんも最期は介護休暇をとられお母さんをしっかりと看取ることができました。
お看取りをして1ヶ月頃に娘さんに会いに行くと涙を流しながら酒蔵のレジをされてありました。その時は私も一緒に涙を流すことしかできませんでしたが、今では「元気に頑張っていますよ!」と力強い声。
にこにこと優しい表情がお母さんの若かった頃を思い浮かべるような表情で、タイムスリップしたような気分になりました。
日本昔話にでてきそうな可愛いご主人と二人暮らしの奥様。
「最期まで看きるやろうか」「もう入院させたがよかろうな」と言っていた奥様が最期までご主人を看取ることができました。
訪問当時は「あんたたちそげんこんでよか」と言っていた奥様が、いつの間にか「あんた達は毎日来てくれるとやろうもん」と言ってくれるようになりました。
久し振りに会いに行くと、「あんた待っとったよ。父ちゃんが死んでから誰もこん」「淋しいけん毎日父ちゃんの遺影を見ながら、はよ迎えに来て~ち手を合わせよったとよ。そしたら、父ちゃんが夢に出てきて車で迎えに来てくれたとよ。私が乗ると言ったけど、車の中が満員やけん母ちゃん乗れんばい」と言われてはっとして目が覚めたと。「まだ生きらないかんてことやろね」と笑って話されました。いつものお母さんのパワーある大笑いが聞こえ、淋し気な表情がいつの間にか笑顔に。これまたホッとしました。
私が訪問看護師になって約1年半。多くの患者さん、家族と出逢いがあります。
別れが来る日が必ずありますが、自宅で過ごす数日・・・1週間・・・月単位。
自宅で過ごす日々はそう長くないのかもしれませんが、「1日でも過ごせてよかった」と患者さん、家族、そして周りにいるチーム全員がそう思えることが大切だなと思います。
もしかすると、「過ごす時間」ではなく「過ごせた質」のようにも感じます。
日々の仕事の中でふと思い出す時、逢いたくなる時、でももう会えないので淋しくなる時、心にしみる瞬間があります。
たくさんの人とのご縁があり関わらせてもらう中で多くの学び、勇気をいただいています。
グリーフケアが終わっても私の中ではずっと生き続いています。
ご家族の心の中にも私達スタッフが生き続けてくれることを願い・・・。
『人と人の繋がりに感謝』
水色のユニフォームを見たら、ぜひ、声をかけて下さいね!!
訪問看護ステーションつばさ 高井良美由紀
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