認知症研究の第一人者の「長谷川式簡易スケール開発者」長谷川 和夫先生のメッセージで感動したことを少しお伝えいたします。
長谷川先生は現在90歳です。先生が認知症を公表され2年が経ちました。
先生自身が認知症を疑い始めたのは80歳後半、
その症状は時間の感覚があやふやになり、外出後にカギをかけたか何度も家に戻って確認するといったことを繰り返され、自身から病院に受診され専門病院で画像検査や心理テストを受け「※嗜銀顆粒性認知症」と診断されました。(※80代~90代で多くみられ普通の状態と認知症の状態が日常で交互に見られる特徴があります。)
先生は「長谷川式認知症簡易スケール」は答えを暗記されていたのでもちろん検査に使うことはできなかったと言います。
「認知症で有名な先生がカミングアウトした理由」
この先生は以前から、認知症の人をケアするのは地域が重要と話されていました。そのことを広く知ってほしいとの思いからでした。
認知症になって自分一人で抱え込まないで多くの人に知ってもらい、皆がそれぞれの立場で工夫をして受け止めるようにした方がよいことを自ら示され公表に至ったと言います。
自分が住んでいる地域全体で認知症の人をケアするという文化を作ることが絶対必要な時代になってきたと、認知症になられてからも語りメッセージを発信されています。
*福岡県の大牟田市はその取り組みが具体的で有名になっています。見学に行きたいなぁと思っています。
現在長谷川先生は、デイケアに通い毎日新鮮な気持ちで過ごされ地域で生活をされています。また、認知症を公表されてからも2018年に認知症をテーマに絵本「だいじょうぶだよーーぼくのおばあちゃんーー」を出版されました。その本の中のメッセージは、認知症の人であっても、周囲の理解があれば安心して暮らせることを多くの人に知ってもらいたいという願いが込められています。
認知症の人に関わることが多い私達だからこそ、長谷川先生のメッセージはとても参考になり、ケアするうえで大切なことだと思いまいした。
デイケアでの話も少し触れた記事がありますが次回のブログでお知らせする機会があればアップいたします。
認知症の本質は暮らしの障がいであり、暮らしがうまくいくかどうかが一番大事なことです。暮らしの中で困っていることがあるかどうか、家族の話にも耳を傾け、総合的に判断することをいつも心がけて先生のメッセージをしっかり活用したいと思います。
訪問看護ステーション つばさ 井上 有子
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